もくじ
「浦島太郎」ってどんな話?
[浦島太郎は因果応報、約束を守ることの大切さ、時間の大切さを教訓にした物語]
浦島太郎は、日本の伝統的な民話の一つで、古くから語り継がれてきました。
物語の起源ははっきりしていませんが、奈良時代の『日本書紀』や平安時代の『万葉集』など、古い文献に類似した話が記録されています。
浦島太郎の物語では、良い行いは自分に返ってくる(因果応報)ことや約束を守ることの大切さ、時間の大切さを教訓にした物語となっています。
浦島太郎の童謡
昔昔(むかしむかし)、浦島は
助けた亀(かめ)に連れられて、
龍宮城(りゅうぐうじょう)へ来て見れば、
絵にもかけない美しさ。
乙姫様(おとひめさま)の御馳走(ごちそう)に、
鯛(たい)や比目魚(ひらめ)の舞踊(まいおどり)、
ただ珍(めずら)しくおもしろく、
月日のたつのも夢の中(うち)。
遊(あそび)にあきて気がついて、
お暇乞(いとまごい)もそこそこに、
帰る途中(とちゅう)の楽しみは、
土産(みやげ)に賞(もら)った玉手箱(たまてばこ)。
帰って見れば、こは如何(いか)に、
元(もと)居た家も村も無く、
路(みち)に行きあう人々は、
顔も知らない者ばかり。
心細(こころぼそ)さに蓋(ふた)とれば、
あけて悔(くや)しき玉手箱、
中からぱっと白煙(しろけむり)、
たちまち太郎はお爺(じい)さん。
登場人物
- 浦島太郎
- 亀
- 乙姫
- 亀をいじめていた子ども達
- 竜宮城の魚たち
浦島太郎のストーリー・あらすじ
昔々、浦島太郎という心優しい若い漁師が住んでいました。
ある日、海辺を歩いていると、子供たちが一匹の亀をいじめているのを見つけます。
浦島太郎は子供たちを止め、亀を助けてやりました。
亀は浦島太郎に、「助けてくれてありがとう。お礼に竜宮城に連れて行きます」と言いました。
浦島太郎は驚きましたが、亀の背中に乗り、海の底にある竜宮城へと向かいます。
竜宮城に着くと、美しい乙姫が出迎えました。
乙姫は浦島太郎を豪華な宴でもてなし、夢のような日々を過ごしたのです。
竜宮城の時間は現実とは違い、とてもゆっくりと流れていました。
やがて、浦島太郎は故郷が恋しくなり、乙姫に帰りたいと伝えます。
乙姫は名残惜しそうにしながらも、浦島太郎に「決して開けてはいけない」と言って玉手箱を渡しました。
浦島太郎は亀の背中に乗り、地上に戻りました。
しかし、故郷に戻った浦島太郎が目にしたのは、すっかり変わり果てた村の様子でした。
知っている人も家族も見当たりません。浦島太郎は戸惑い、村の老人に尋ねます。
老人は「浦島太郎という名の若者が亀を助けてから、もう何百年も経っている」と言いました。
驚きと悲しみに打ちひしがれた太郎は、思わず乙姫からもらった玉手箱を開けてしまいました。
すると、中から白い煙が立ち上り、たちまち太郎は老人に変わり果ててしまいました。玉手箱には、竜宮城で過ごした時間が封じ込められていたのです。
「浦島太郎」の劇遊び(劇ごっこ)をしよう
劇遊びとは子どもたち自身が役になりきって劇をすることです。
浦島太郎の劇遊びでは
・良い行いは自分に返ってくる(因果応報)
・約束を守ることの大切さ
・時間の大切さ
を子どもたちに伝えながら劇遊びに取り組んでみて下さいね。
浦島太郎劇遊びの対象年齢
浦島太郎劇遊びの対象年齢は5歳、6歳児です。
因果応報や約束を守ることの大切さ、時間の概念が理解できるようになるのが
5歳児、6歳児だからです。
浦島太郎の劇遊びをするねらい
劇遊びは楽しんで取り組むことが1番大切ですが、
子どもたちが劇遊びを通して、何を感じて成長していってほしいかの「ねらい」を
考えることも大切です。
浦島太郎の劇遊びをする「ねらい」を2つ紹介します。
良い行いをすると良いことが自分にやってくることを知る
浦島太郎はいじめられていた亀を助けたことによって竜宮城で楽しく過ごすことができました。
良い行いをしたことにより、良いことが自分に返ってきたのです。
他人を思いやって行った行動はいい結果に繫がることを子どもたちに伝えましょう。
約束を守ることの大切さを知る
浦島太郎は時間を忘れて竜宮城で楽しく過ごしてしまいます。
そして竜宮城から地上に帰った際に、乙姫からもっらた「開けないと約束した玉手箱」を約束を
破り開けてしまいます。
楽しい時間はあっという間に過ぎてしまう時間の大切さ、約束を守ることの大切さを
子どもたちと一緒に考えてみましょう。
浦島太郎の劇遊びをするのに最適な季節は「夏」
浦島太郎の劇遊びをするのに最適な季節は夏です。
海が舞台なことで夏の時期を連想できるからです。
もちろん、絶対に夏に時期に浦島太郎の劇遊びをしなければならないということではありません。
子どもの様子や成長を見ながら取り組む時期を検討してみて下さいね。
「浦島太郎」の劇遊びをする前に【導入編】
浦島太郎の劇遊びをする前に子どもたちに絵本やパネルシアター、ペープサートを使って導入をしましょう。
事前に物語を知っておくことで、楽しんで劇遊びに取り組むことができます。
「絵本」や「紙芝居」で物語を知ろう
浦島太郎の絵本や紙芝居の読み聞かせを子どもたちにしましょう。
浦島太郎の絵本や紙芝居は様々な作者が書いた様々な絵本が出版されています。
子どもたちに分かりやすい絵本や紙芝居を見つけて読み聞かせしてみて下さいね。
「パネルシアターやペープサート」で楽しもう
ペープサートやパネルシアターで浦島太郎の物語を楽しむのも素適です。
保育士がパネルシアターやペープサートで物語を見せた後は
子どもたちが自分でペープサートを持って演技してみたりと演じる楽しさを
知ることができるように、工夫してみて下さいね。
製作遊びで「びっくり玉手箱を作ろう」
製作遊びで「びっくり玉手箱」を作ってみましょう♪
子どもたちも喜ぶこと間違いなしですよ♪
準備するもの
素材
・牛乳パック(事前に洗って、乾かしておく)
・輪ゴム
・お菓子の箱(蓋のある箱ならなんでもOK)
作り方
①②牛乳パックの胴体部分を2〜3cm幅の輪切りにする。
③対角線上に切りこみを入れる。
④切り込み部分に輪ゴムを引っ掛けて固定する。
こぴ
④まで出来たらこれをいっぱい作って、牛乳パックを押さえながら折りたたみ、お菓子の箱に詰めよう!
お菓子の蓋をあけると、中身が飛び出るよ♪
こぴ
子どもが輪切りにした牛乳パックの装飾をしてもかわいいよ♪
色々工夫してみて自分だけの「びっくり玉手箱」を作ってね。
「浦島太郎」の劇遊びをする前に【準備編】
劇遊びをする前にお面や小道具、衣装の準備をしましょう♪
お面や小道具、衣装があることで役になりきったり、劇をやりたい!と子どもたちが
積極的に劇遊びに取り組めるようになります。
お面や小道具、衣装
小道具 | おすすめ |
---|
お面 (亀、魚) | 画用紙でお面を作り、子どもに顔を描いてもらう とオリジナルのお面になっていい感じ♪ |
かめの甲羅 | 段ボールを使って立体的に作ってみてね♪ |
玉手箱 | お菓子の箱を画用紙などを貼って 玉手箱にしよう♪ |
衣装 | おすすめ |
---|
浦島太郎 | 青色のハッピを不織布で作る。 青色のハッピの下から黄色いビニール紐を 藁のスカート(腰みのと言う)のように垂らして 作る。 |
乙姫 | 白色のハッピを不織布で作る。 ピンクの長いスカートと帯を不織布で作り 組み合わせて着る。 |
魚 | マント型に縫った不織布に うろこを貼り付ける。 |
亀をいじめていた子ども達 | ハッピを不織布で作る。 |
台本
台本作成時のポイントをお知らせします。
・簡単な言葉やフレーズを使う
子どもたちが理解しやすく、覚えやすいセリフにしましょう。
・歌や踊りで劇にメリハリをつける
歌や踊りを劇に取り入れることにより、動きやメリハリが出来てより楽しく取り組めます。
・時間の大切さや約束を守ることの大切さを子どもと一緒に考える
「楽しいことはあっという間に過ぎてしまうよね」など子どもでも理解しやすい話に置き換えながら
浦島太郎はどうすれば良かったのかな?と子どもと一緒に考えて台本を作ってみましょう。
下の台本はあくまで参考です。
子どもたちの様子やクラスの雰囲気に合わせて、楽しく劇遊びできるように台本を作成してみて下さいね。
パネルシアター「浦島太郎」を作ろう
浦島太郎のパネルシアターを作ってみましょう♪
ちょきぺたファクトリーでは忙しい保育士さんのために、
保育の現場で利用できる様々な素材を作成・配信しています!
素材をダウンロードするだけで10分ほどで作れてしまいますよ♪
準備するもの
・Pペーパー
・はさみ
作り方
①素材データをダウンロードしPペーパーに印刷する。
②印刷したPペーパーをはさみで切ったら完成です♪
「浦島太郎」イラスト素材
「浦島太郎」劇遊び台本・セリフ
ナレーター
むかしむかしのお話です。
ある村の海の砂浜で子どもたちが、カメをいじめていました。
子どもたち
かめ
ナレーター
その時、ある男がやってきて
浦島太郎
カメがかわいそうじゃないか、
さっさとお家に帰りなさい!
ナレーター
と怒ったので
子どもたち
ナレーター
子どもたちは逃げていきました。
その優しい男の名前は“うらしまたろう”です
かめ
うらしまさん、助けてくれてありがとう
お礼に竜宮城へご案内します!
浦島太郎
それは楽しそう
でも竜宮城は海の底。
一体どうやって行くのかい?
かめ
浦島太郎
ナレーター
うらしまたろうとカメは海へ出発しました。
カメは海の中をスイスイ進んでいきます。
浦島太郎
かめ
ナレーター
少し進むと竜宮城が見えてきました。
かめ
浦島太郎
ナレーター
そして中からとても美しい女の子が出てきました。
乙姫
かめ
砂浜でいじめられていたのを
うらしまさんが助けてくれたんです
乙姫
そうだったのですね
ありがとうございます
私は“おとひめ”といいます
ナレーター
おとひめはカメを助けたお礼に、うらしまたろうを竜宮城の中に入れてくれました。
竜宮城はとても楽しいところで鯛は美しいダンスを、ひらめは音楽に合わせて歌い踊り
そして、美味しいご飯を食べて楽しく過ごしました。
たくさん遊んで何日も経つとうらしまたろうは、村のことを思い出しました。
浦島太郎
乙姫
浦島太郎
乙姫
浦島太郎
ナレーター
うらしまたろうは、カメの背中に乗り、玉手箱を持って村へとしゅっぱつしました。
乙姫
浦島太郎
楽しい時間をありがとう
さようなら~
とっても楽しかったな〜
カメさんが連れていってくれたおかげだね
ナレーター
カメは、またスイスイ泳いで海の上へ進んでいきます。
村の海の砂浜に帰ってきました。
かめ
浦島太郎
背中に乗せてくれてありがとうね
カメさんさようなら〜
ナレーター
カメは海へと帰っていきました。
ひとりになったうらしまたろうは玉手箱の中身が気になりましたが
おとひめとの“絶対開けない”という約束を守って開けませんでした。
そしてうらしまたろうは、村を見渡してびっくりしました。
なんと村の様子はすっかり変わっていて、知っている人は誰もいませんでした。
うらしまたろうが海の中で過ごしてる間、村は何十年も経ってしまっていたのです。
浦島太郎
ナレーター
ひとりぼっちになったうらしまたろうは寂しさのあまり、玉手箱を開けてしまいました。
すると中からモクモク、モクモクと煙が出てきて…。
うらしまたろうは、おじいさんになってしまいました。
おしまい。
「浦島太郎」まとめ
浦島太郎の劇遊びを紹介しました。
幼稚園や保育園の発表会にピッタリの題材なので、ぜひ子どもたちと取り組んでみて下さいね。
もちろん劇遊びをしなくても、ちょきぺたファクトリーで
素材をダウンロードして「パネルシアター」や「ペープサート」を作成し、
子どもたちと楽しむのもおすすめです。