もくじ
「花咲か爺さん」ってどんな話?
優しい心は幸運を欲深さは災いを招くことを伝えた物語
花咲か爺さんは、日本の古典的な民話で、「昔話」のひとつです。
物語の起源は、はっきりと分かっていませんが、江戸時代にはすでに民間で語られていたとされています。
花咲か爺さんの物語では、優しいお爺さんは犬のおかげで幸運に恵まれ、逆に欲張りなお爺さんは罰を受けます。
花咲か爺さんは優しい心や誠実な行いが最後には自分に返ってくること、反対に欲深さや人に嘘をつく行為は災いを招くことを伝えた物語です。
登場人物
・優しいお爺さんとお婆さん
・欲張りなお爺さん
・犬のシロ
「花咲か爺さん」のストーリー・あらすじ
優しいお爺さんとお婆さんが犬の「シロ」を大切に育てていました。
ある日、シロが地面を掘るように促した場所から、大量の金貨が見つかります。
これにより、お爺さんとお婆さんは裕福になりました。
この話を聞いた隣の欲張りなお爺さんは、シロを借りて自分も同じように金貨を手に入れようとします。
しかし、シロが掘った場所からは腐った物が出てきただけでした。
欲張りなお爺さんは怒ってシロを殺してしまいます。
悲しんだ優しいお爺さんとお婆さんがシロを弔うために木臼を作りますが、その木臼からもまた幸運がもたらされます。
それを見た欲張りなお爺さんは再び木臼を奪いますが、幸運は訪れません。
怒った欲張りなお爺さんは木臼を壊し、燃やしてしまいます。
優しいお爺さんはその木臼の灰を少し持ち帰り、庭に立つ枯れ木にその灰を撒くと、木が一斉に花を咲かせました。
枯れ木が美しく満開の花を咲かせたその光景は、周りの人々に大きな感動を与え、お爺さんは「花咲か爺さん」と呼ばれるようになります。
この話を聞きつけた欲張りなお爺さんは、同じように灰を撒いて木に花を咲かせようとしますが、灰がかかった木々は逆に枯れてしまいます。
欲張りなお爺さんは何も得られませんでしたとさ。
「花咲か爺さん」で劇遊び(劇ごっこ)をしよう
子どもたちと一緒に「花咲か爺さん」の劇遊びをしましょう♪
劇遊びとは子どもが登場人物の役になりきって楽しむことで感情や自己表現を豊かにし、子どもの創造力や言語能力を伸ばすことができますよ。
ぜひ、普段の保育や発表会などで劇遊びに取り組んでみてくださいね。
「花咲か爺さん」劇遊びの対象年齢
花咲か爺さんの劇遊びの対象年齢は5歳児~6歳児です。
相手を思いやるなど、友だちとの関わりを意識して行動できるのが5歳児~6歳児だからです。
「花咲か爺さん」で劇遊びをするねらい
劇遊びでは、子どもが役になりきって楽しむことが一番大切です。
登場人物になりきって感情や動きを表現することで、自己表現力や想像力が育まれ、友だちと協力しながら進める中で、コミュニケーション能力や順番を守る力も身についていきます。
楽しみながら劇遊びに取り組むことが重要ですが、同時に、劇遊びを通して子どもに何を伝えたいか、どのように成長してほしいかといった「ねらい」を考えることも大切です。
「花咲か爺さん」の劇遊びでのねらいを2つ紹介します。
①相手を思いやる気持ちの大切さ
優しいお爺さんとお婆さんが犬のシロを大切にし、愛情深く接する姿を演じることで、子どもたちは相手を思いやる心や優しさの大切さを学びます。
この劇遊びでの体験を通じて、日々の幼稚園や保育園での友だちとの関わりの中でも、相手の気持ちを思いやる姿勢を自然に育んでいけるように促していきましょう。
②欲張りや自分中心な行動をしていると、最後に自分が痛い目をみるということ
欲張りなお爺さんの行動を通じて、欲張りすぎることや自分本位の行動が最後には自分に不幸な結果をもたらすという教訓を、遊びながら理解することができます。
子どもたちが劇を通じて失敗や学びを疑似体験し、「どのような行動が良いのか」を考えるきっかけとなるよう促していきましょう。
「花咲か爺さん」の劇遊びをするのに最適な季節は「冬〜春」
「花咲か爺さん」の劇遊びは、冬から春にかけての季節が最適です。
物語のクライマックスである「枯れ木に花を咲かせる」シーンが、春の訪れと重なり、子どもたちの期待感を高めます。
また、冬から春への変化が自然の成長や喜びを感じさせ、子どもたちが花咲か爺さんの世界をより深く楽しめる時期でもあります。
もちろん劇遊びをその時期だけしかしてはいけない、ということではありません。
子どもの成長やクラスの様子を
見ながら劇遊びに取り組んでみてくださいね。
「花咲か爺さん」の劇遊びをする前に【導入編】
花咲か爺さんの劇遊びを始める前に、絵本やパネルシアターで物語を知ってもらい、子どもたちの興味や関心を高めることが大切です。
物語の流れや登場人物の気持ちを知ることで、劇遊びへの意欲も高まりますよ。
「絵本」で物語を知ろう
花咲か爺さんの絵本で子どもたちに読み聞かせを行ないましょう。
絵本を使うことで、子どもたちは視覚的に物語のイメージをつかみやすくなり、キャラクターやシーンを理解しやすくなります。
「パネルシアターやペープサート」で楽しもう
絵本で物語の流れや登場人物を理解したら、次は「パネルシアター」や「ペープサート」を使って、物語を動きのある形で楽しむ方法がおすすめです。
パネルシアターやペープサートは、絵本とはまた違った形で視覚的な魅力があり、子どもたちは登場人物のやりとりをさらに身近に感じられます。
製作遊びで「花吹雪」を作ろう
製作遊びで花吹雪を作ってみましょう♪
簡単に作ることができるのでぜひ、保育園や幼稚園の子どもたちと作ってみてくださいね。
準備するもの
・ピンクや赤のお花紙
(茶色の画用紙)
・はさみ
・のり
作り方、活用方法
①紙を小さく切る
小さい子向け: 柔らかい紙を指先でちぎって小さくする。
年長の子向け: はさみで1cmくらいの大きさに切る。
②作り方
茶色の画用紙で作った木にのりで「花」を貼り、満開の木を作る。
③完成です♪
こぴ
完成した木を飾り、みんなで鑑賞して楽しむのも素敵だよ♪
切った花びらを枯れ木に向かって撒き、花を咲かせるイメージで遊ぶのもおすすめです!
「花咲か爺さん」の劇遊びをする前に【準備編】
劇遊びでは、登場人物になりきれるような小道具や衣装があると、子どもたちが役に入りやすく、物語をより楽しむことができます。
簡単に準備できるものを取り入れて、演じる楽しさを引き出しましょう!
お面や小道具、衣装
小道具 | おすすめ |
灰 | 折り紙や画用紙をちぎったり切ったりするのがおすすめです |
金貨 | 段ボールや金色の折り紙でつくるのがおすすめです |
スコップや木のスティック | 金貨を掘り出すシーンや枯れ木に花を咲かせるシーンで役立ちます。 段ボールなどで作るのがおすすめです
|
衣装 | おすすめ |
優しいお爺さん、お婆さん | ・頭は帽子 ・服は不織布でベスト型に縫う 優しいイメージで明るい衣装の色がおすすめです! |
欲張りなお爺さん | ・頭は帽子 ・服は不織布でベスト型に縫う 欲張り者(意地悪)のイメージで暗い色がおすすめです! |
犬のシロ | ・白色の不織布でポンチョ型に縫う 不織布でしっぽをつけてもかわいいです
・画用紙で犬のお面をつくるのもおすすめです |
台本
「花咲か爺さん」の劇遊びを行う際の台本作りのポイントをお伝えします。
分かりやすい言葉を使う
子どもたちが理解しやすい簡単で短いセリフを心がけましょう。
難しい言葉や言い回しは避け、シンプルで伝わりやすい表現を選ぶと効果的です。
簡単な動きや動作でキャラクターの特徴を強調
キャラクターの性格や行動がはっきり伝わるように、簡単な動きやセリフで表現します。
テンポよく劇を進める
幼児は集中力が長く続かないことがあるため、シーンを短く分けてテンポよく進めましょう。
動きや音楽を使ってシーンの切り替えをし、注意を引き続けられるように工夫します。
例えば、花が咲くシーンでは明るい音楽、欲張りなお爺さんのシーンでは少し緊張感のある音楽を入れても楽しいでしょう。
下の台本はあくまで参考です。
子どもたちの様子やクラスの雰囲気に合わせて台本作りをしてみてくださいね♪
パネルシアター「花咲か爺さん」を作ろう
花咲か爺さんのパネルシアターを作ってみましょう♪
ちょきぺたファクトリーでは忙しい保育士さんのために、
保育の現場で利用できる様々な素材を作成・配信しています!
素材をダウンロードするだけで10分ほどで作れてしまいますよ♪
準備するもの
・Pペーパー
・はさみ
作り方
①素材データをダウンロードしPペーパーに印刷する。
②印刷したPペーパーをはさみで切ったら完成です♪
「花咲か爺さん」イラスト素材
「花咲か爺さん」劇遊び台本・セリフ
昔々あるところに、優しいお爺さんと優しいお婆さんと、しっかりもののシロがいました。
ある日シロが庭で
シロ
と鳴いているので掘ってみると、
なんと中から大判小判がざっくざく出てきました。
それを見ていた隣の欲張りなお爺さんは、シロを使って小判を掘ろうとしました。
でも、出てきたのはゴミばかり…。
怒った欲張りなお爺さんはシロをこつんと叩き、シロは死んでしまいました。
それを知った優しいお爺さんと優しいお婆さんは悲しんで、シロをお墓に埋めました。
するとシロのお墓からだんだん木が生えてきました。
そして木から
シロ
とシロの声が聞こえました。
優しいお爺さんと優しいお婆さんは言われた通り、木で臼と杵を作って餅をつきました。
するとお餅が大判小判に大変身!
それを見ていた欲張りなお爺さんは臼と杵を盗んで、お餅をつきました。
すると、餅はゴミになってしまいました。
またまた怒った欲張りなお爺さんは臼と杵を燃やして、さらさらの灰にしてしまいました。
それを悲しんだ優しいお爺さんは枯れた木に灰をまきました。
するとポッと木の花が咲きました。
優しいお爺さんは歌いながらまた灰をまきます。
優しいお爺さん
またポッと桜の花が咲きました。
優しいお爺さん
綺麗な桜の木になりました。
それを見ていたお殿様は優しいお爺さんに褒美をくれました。
それを見ていた欲張りなお爺さんも真似して灰をまきますが、桜は咲きません。
そして、お殿様は欲張りなお爺さんの悪い行いを知って、欲張りなお爺さんをこらしめました。
それから優しいお爺さんと優しいお婆さんは、シロとの思い出を話しながら幸せに暮らしましたとさ
おしまい!
「花咲か爺さん」まとめ
「花咲か爺さん」は、心優しいお爺さんとお婆さんが犬のシロの導きで幸運を得る一方、欲張りなお爺さんはその心のままに災いを招くという教訓的な昔話でした。
劇遊びを通して子どもたちは、相手を思いやる心や欲張りがもたらす結果について楽しみながら学ぶことができます。
ぜひ、保育園や幼稚園の劇遊びで取り組んでみてくださいね。
もちろん劇遊びをしなくても、ちょきぺたファクトリーで素材をダウンロードして「パネルシアター」や「ペープサート」を作成し、子どもたちと楽しむのもおすすめです。