「おむすびころりん」の演じ方
「おむすびころりん」は、リズミカルな歌と、展開の分かりやすさが魅力の日本の昔話です。
おじいさんがおむすびを追いかけて穴に落ちるシーンや、ネズミたちの楽しい歓迎会、そして欲張りじいさんの失敗と、場面ごとの盛り上がりポイントがはっきりしています。
「おむすびころりん すっとんとん♪」のフレーズは、子どもたちと一緒に口ずさみながら、楽しい雰囲気で演じていきましょう!
「おむすびころりん」のシアター台本
この台本では、意地悪なお爺さんは登場しません。
年齢や子ども達の興味などに合わせて、台本を柔軟に変更しても良いと思います!
ナレーター
おじいさんはおばあさんがつくったおむすびをもって山へ木を拾いにでかけました。
おじいさんがちょっと休んで、おむすびを食べようとしたそのとき!!
(休憩でおむすびを食べようとしたら、落としてしまう)
おじいさん
「あぁ!!しまった!」
ナレーター
ころりんころりん。とおむすびはころがって、穴に落ちてしまいました。
ネズミ
「おむすびころりんすっとんとん。おむすびころりんすっとんとん。」
(おむすびが穴に落ち、ねずみが登場。ねずみがおむすびでお餅をつく)
ネズミ
「おお、これはおいしそうなおむすびだ!これでお餅をつこう。」
ネズミ
「そうしよう!!!」
ネズミ
「おむすびころりんすっとんとん。
おむすびころりんすっとんとん。」
おじいさん
「おや?穴から歌が聞こえるぞ。」
ナレーター
おじいさんが穴に耳をすましていると...
ころりんころりん。と転がって、穴に落ちてしまいました。
ネズミ
「おじいさんころりんすっとんとん。
おじいさんころりんすっとんとん。」
ネズミ
「さっき落ちてきたおむすびはおじいさんのですか?
おかげでおいしいお餅ができました。お礼にこれをあげます。」
(ねずみがおじいさんに打ち出の小槌を渡す)
おじいさん
「ネズミさんたちありがとう。」
ナレーター
おじいさんはお家に帰って、今日あったことをおばあさんに話しました。
それから、もらった打ち出の小槌を振ってみると
(小槌を振ると大量の小判が出てくる)
ナレーター
小判がざっくざくとでてきました。
そして、おじいさんとおばあさんは幸せに暮らしました。
おしまい。
「おむすびころりん」の劇台本
(場面:山の中。おじいさんが切り株に座ってお昼ご飯の準備をしている)
ナレーター:むかしむかし、あるところに、働き者でとても優しいおじいさんが住んでいました。
おじいさんは今日も山へ柴刈りに行きました。
おじいさん:「ふう、ひと仕事したらお腹が空いた。おばあさんが作ってくれたおむすびを食べようかのう」
(おじいさん、おむすびの包みを開ける。その拍子に、おむすびが一つ、コロコロと転がり出す)
おじいさん:「おっとっと! まてー、おむすび、まてー!」
(おむすび、地面の穴に向かって転がっていく。おじいさん、追いかける)
ナレーター:おむすびはコロコロ転がって、なんと地面の穴の中にポトン!と落ちてしまいました。
おじいさんが穴を覗き込むと……中からこんな歌が聞こえてきました。
ネズミたちの歌:
♪ おむすび ころりん すっとんとん
♪ おむすび ころりん すっとんとん
♪ おいしい おむすび ありがとさん
♪ おむすび ころりん すっとんとん
おじいさん:「おや? なんだか楽しそうな歌が聞こえるぞ。もしもし、誰かいませんか?」
(おじいさん、もっとよく聞こうと身を乗り出すと……足を滑らせてしまう)
おじいさん:「うわわわーーーっ!」
ナレーター:なんとおじいさんも、穴の中へ、すっとんとん!
(場面:穴の中。ネズミの屋敷。たくさんのネズミたちがいる)
おじいさん:「いたたた……ここはどこじゃ?」
ネズミA:「ようこそ、おじいさん!」
ネズミB:「おいしいおむすびをありがとうございました!」
ネズミたち:「お礼に、お餅をついてご馳走します!」
ネズミたちの歌(餅つき):
♪ ぺったん ぺったん ぺったんこ
♪ おじいさん おじいさん ぺったんこ
♪ おいしい おもちを ぺったんこ
♪ ぺったん ぺったん ぺったんこ
おじいさん:「これはこれは、ご馳走じゃ。ありがとう、ネズミさんたち」
ナレーター:おじいさんは、ネズミたちと歌ったり踊ったり、楽しい時間を過ごしました。
そして帰る時、ネズミたちは一つのお土産を渡しました。
ネズミの長老:「おじいさん、これは『つづら』です。大きいつづらと、小さいつづら、どちらか好きな方を持って帰ってください」
おじいさん:「わしは年寄りだから、小さい方で十分じゃよ。ありがとう」
(おじいさん、小さいつづらを受け取る)
ナレーター:おじいさんが家に帰ってつづらを開けると……中からは、金や銀、珊瑚に小判がザックザク!
正直なおじいさんは、おばあさんと一緒に幸せに暮らしました。
(場面転換:隣の家の前。欲張りじいさんが話を聞いている)
欲張りじいさん:「なんだって!? ネズミの穴におむすびを落として、宝物をもらっただと? よーし、わしも行ってくる!」
(場面:山の中の穴のそば)
欲張りじいさん:「えーと、この穴だな。ほらよっ!」
(欲張りじいさん、無理やりおむすびを穴に投げ込む。そして自ら飛び込む)
欲張りじいさん:「とうっ!」
(場面:穴の中)
欲張りじいさん:「おいネズミども! おむすびをやってやったぞ。さあ、ご馳走と土産を出せ!」
ネズミたち:「……(怖がって震える)」
欲張りじいさん:「早くしろ! そうだ、猫の鳴き真似をして脅かしてやろう。その隙に宝物を全部持っていくぞ。……ニャーオ! ニャーオ!!」
ネズミたち:「きゃー! 猫だ! 逃げろー!!」
ネズミたち:「明かりを消せー! 真っ暗にしろー!」
(バチン!と明かりが消え、真っ暗になる。ガリガリ、と噛みつく音)
欲張りじいさん:「痛い! 痛い! 暗くて何も見えん! 痛いよー!」
ナレーター:欲張りじいさんは、ネズミたちに噛みつかれ、ボロボロになってようやく穴から逃げ出しました。もちろん、お土産なんて一つもありませんでしたとさ。
(おしまい)
「おむすびころりん」を演じる際のコツ
リズムに乗って歌おう
「おむすびころりん すっとんとん」の部分は、このお話の最大のテーマ曲です。明るく弾むような声で歌いましょう。子どもたちに「みんなも一緒に歌ってね!」と声をかけ、手拍子を促すと会場に一体感が生まれます。
おむすびの動きを見せよう
おむすびが穴に落ちるシーンは、視覚的に一番面白いところです。パネルシアターなら、糸をつけて実際にコロコロ転がるような動きを演出したり、穴の裏に隠すポケット(仕掛け)を作っておくと、「消えた!」という驚きを与えられます。
おじいさんの対比をはっきりと
正直おじいさんは「ゆったり、優しく」、欲張りじいさんは「早口で、偉そうに」演じ分けましょう。声のトーンやスピードを変えるだけで、子どもたちにも性格の違いが伝わりやすくなります。
「おむすびころりん」を演じる際の注意点
ネズミの怖さはほどほどに
最後のシーンで欲張りじいさんがネズミに噛まれる描写がありますが、あまり怖くしすぎると、小さい子が泣いてしまうかもしれません。「痛い痛い!」とコミカルに逃げ回る演技にして、笑いに変えるくらいのバランスがおすすめです。
「欲張り」の意味を伝える
ただ「猫の真似をしたから噛まれた」だけでなく、「強引におむすびを投げた」「脅かして全部奪おうとした」という欲張りな行動が原因であることを、セリフやナレーションでしっかり印象付けましょう。
「おむすびころりん」を演じる時の年齢別アレンジ
0~1歳向けのアレンジ
ストーリーよりも「音」と「動き」をメインにします。「ころりん、ぽーん!」と擬音語を強調して、おむすびが転がる様子を楽しく見せましょう。ネズミの歌の部分だけを繰り返し演じるのもおすすめです。
2~3歳向けのアレンジ
「すっとんとん」の歌を一緒に歌って楽しみましょう。「おむすびさん、どこに行くのかな?」「穴の中には誰がいるかな?」と問いかけながら進めると、興味を持続させやすくなります。
4~5歳向けのアレンジ
「なぜ欲張りじいさんは失敗したのかな?」と考えさせる問いかけを入れてみましょう。また、劇遊びとして、ネズミ役とおじいさん役に分かれて演じてみるのも楽しいです。
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